2024年3月19日の金融政策決定会合で、日本銀行は「2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現する」と判断し、次の3つの修正を行いました。まず、マイナス金利政策を解除し、階層型日銀当座預金制度を廃止して従来の当座預金制度に戻しました。これにより、超過準備への付利金利を+0.1%とし、政策金利を0.2%に引き上げました。この変更により、金融機関の利子所得が年間2500億円増加すると見込まれています。

次に、イールドカーブ・コントロール(YCC)を正式に廃止し、月額6兆円程度の長期国債の買い入れを継続するとしました。長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に買入れ額の増額や指値オペなどを実施します。これにより、YCC廃止後も長期金利の一定程度のコントロールを続けることができます。

さらに、ETFやJ-REITの新規買い入れを終了し、CP及び社債等の買い入れ額を段階的に減額して1年後に終了することを決定しました。これにより、資産買い入れの正常化が進みます。

政策変更の背景と影響について
連合の春闘で賃上げ率が32年ぶりの高水準となったことが、マイナス金利解除の決定打となりました。日本銀行は、政府や国民が広く納得できるタイミングで金融緩和策の修正に着手しました。政府も今回の政策変更を容認し、日本銀行との政策連携を強調しています。

今後の展望について
日本銀行は、2025年前半に政策金利を0.2%~0.3%に引き上げる見込みです。その後、2025年後半には量的引き締め(QT)を開始し、バランスシートの縮小を目指します。さらに、2026年にはETFのオフバランス化を進めると予想されます。

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【引用:木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】